「声のバリヤフリー」 ~障害者支援プロジェクト~
障害者支援プロジェクトが読売新聞に取り上げられました。
葛飾 ラジオ番組に障害者起用(読売新聞抜粋)
葛飾区亀有3のラジオ番組制作事務所「東京ヴォイスファクトリー」が、障害者を声優に起用した番組づくりを開始する。代表の松元健一さん(44)は「障害を持つ人があきらめていた夢を実現したい」と意気込んでいる。4月から静岡県熱海市のFM熱海湯河原での放送が決まっているが、放送枠を提供してくれる都内などのラジオ局の協力も呼びかけている 昨年11月から活動を始めた同事務所は、今年1月から3月までの予定で、同区のコミュニティー放送局「かつしかFM」で月曜午前0時放送のアニメ風ストーリードラマ「Tokyo Anime Radio」を制作している。ラジオドラマの出演者数は、2役の掛け持ちなどで通常、10人以下の場合が多いが、自身も声優経験がある松元さんの「できるだけ大勢の人に出演機会を設けたい」という方針で、毎回、約50人が出演している。
無報酬で、オーディション参加費3000円や自分の交通費は負担する必要があるが、声優志望者をはじめとした健常者のほか、精神障害を持つ女性も参加している。
松元さんが今回、障害者にも広く参加を呼びかけることにしたきっかけは、脚のけがのために松葉づえでの参加となった出演者の1人が、収録を無事に終えたこと。「周囲の配慮があれば、障害がある人にも声優として活躍の場を提供できるのではないか」とひらめいた。大手事務所などの募集要項では「心身共に健康であること」などの条件がつけられていることも多く、障害者には事実上、門戸は閉ざされているという。
応募資格は、中学校卒業程度以上の学力があり、声の演技が可能な人。車いすの人や視覚障害者などにはスタッフがサポートする。オーディションは毎月第1土曜日に葛飾区亀有3のビル、リハーサルと収録は墨田区東向島2のユートリヤ(すみだ生涯学習センター)が会場になる。
25日にユートリヤで行われた新番組の収録には、知的障害のある足立区の男性(19)が見学に訪れ、飛び入りで「研究所スタッフ」役を務めた。松元さんの丁寧な指導で、「はい。司令官、こちらへ」というセリフをこなした男性は「最初は緊張したけれど、楽しかった」と笑顔をみせた。付き添った「足立区障がい福祉センターあしすと」相談員の鈴木佳代子さん(30)は「今までにない取り組みで、とてもすばらしい」と話していた。
FM熱海湯河原での放送は、毎週日曜午後4時半から。受信可能エリアは熱海市周辺だが、インターネットで同時放送も行われる。。
(2011年2月26日 読売新聞)